妊娠・出産と骨盤の歪みの原因

妊娠と出産も、骨盤の機能あってこその大事業といえるでしょう。

 

妊娠中の子宮は、最大時、胃を押し上げるほどにまで膨張します。

 

この大きくなっていく子宮に対応するために、妊娠ホルモンである“リラキシン”が分泌されます。

 

骨盤は、この“リラキシン”の作用によって靭帯が緩んで開き、子宮の成長を助け、さらに出産時は、胎児がスムーズに産道を通り抜られるよう、骨盤の開きは最大になるのです。

 

これら妊娠出産に関わる一連の変化、子宮の状態や、広がった骨盤は、1ヵ月半から2ヶ月の産褥期を経て、妊娠前の状態まで戻らなくてはなりません。

 

しかし日ごとに大きくなる腹部の重さなど、様々な理由から、妊娠中はどうしても運動不足に陥りやすく、骨盤周辺の筋肉、特に深層筋の骨盤底筋・腸腰筋群は活力を失い、筋肉量は低下しています。

 

その結果骨盤は、元の状態に戻るのが、非常に困難になります。

 

また、長くこの状態が続いた場合、広がった骨盤内に内臓が落ち込み、筋肉量が減った骨盤周辺には、皮下脂肪が付きやすくなります。

 

このことが、歪みの最大の原因といえるでしょう。

 

その一方で、最近“リラキシン”の働きが、過剰に作用する傾向にあることも、軽視できない要因と考えられます。